令和8年厚生労働省告示第52号(求職者等に対するセクハラの防止指針)を、1〜6の項ごとに「何を定め、どの文言で、どの性質か」で整理します。措置を義務づけているのは4だけで、3は努力義務、5と6は望ましい取組です。職場のセクハラ指針(告示615号)との違いと、10月1日に615号の側で変わった箇所、解釈事項(2026年4月24日、9月30日改訂)の問番号も対応づけます。
告示52号は、厚生労働省が定めた、求職者等に対するセクシュアルハラスメント(以下「セクハラ」)の防止指針です。正式名は「事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」で、男女雇用機会均等法第13条第3項に基づき2026年2月26日に告示され、同年10月1日から適用されています。告示は1〜6の項でできており、事業主に措置を義務づけているのは4(講ずべき措置)だけで、2は定義、3は努力義務、5と6は望ましい取組です。
この記事は、告示の本文(厚生労働省PDF、20頁)を手元で読むときの道しるべです。項ごとに「何を定め、どの文言で、どの性質か」を示し、職場のセクハラ指針(告示615号)との違いと、厚生労働省の解釈資料の問番号を対応づけます。採用担当者として10月1日からの対応を順に知りたい方は、就活セクハラ対策の義務化と採用担当者がやること7つから読むほうが早く進みます。
2026年9月28日時点で確認した内容です。改正法は10月1日に施行され、告示も同日から適用されています。条番号は施行後のものです。告示の頁はPDF下部に印字された頁番号、解釈資料の頁は資料下部に印字された頁番号です。
告示52号の位置づけ:根拠条文と日付
告示52号は、法律・政令・指針の3つが組み合わさって効力を持ちます。
- 法律:改正後の男女雇用機会均等法第13条は、第1項で求職者等からの相談に応じる体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を事業主に義務づけ、第2項で、求職者等からの相談への対応に協力して事実を述べた労働者への不利益取扱いを禁じます。第3項が、厚生労働大臣がこれらの措置について指針を定めると規定しています(e-Gov法令検索)
- 指針の手続:第13条第4項は、第4条第4項(労働政策審議会の意見を聴く)と第5項(定めたら概要を公表する)を指針に準用しています。告示文も、第13条第3項に基づいて定め、同条第4項で準用する第4条第5項に基づいて告示すると書いています(告示 p.1)
- 日付:告示日は2026年2月26日、適用日は改正法の施行日である2026年10月1日です(告示 p.1)。施行日は政令(令和8年政令第17号)が定めています(厚生労働省掲載PDF)
- 求職者等の範囲:求職者に加え、事業主が行う労働者の採用に資する活動に参加する人と、教育実習・看護実習その他の実習を受ける人です(均等法施行規則 第2条の3、e-Gov法令検索)
告示そのものに罰則の定めはありません。行政の関与は法律の側にあり、第35条が報告の求めと助言・指導・勧告を、第36条が第13条第1項・第2項などに違反して勧告に従わないときの公表を、第39条が報告をしない・虚偽の報告をしたときの20万円以下の過料を定めています。詳しくは就活セクハラの記事の「守らなかったらどうなるか」にまとめています。
厚生労働省の改正ページには、告示52号と並んで、カスハラ防止指針(告示第51号)と、関係告示を整備する告示(告示第53号)が掲載されています(厚生労働省 改正ページ)。告示53号は、後で触れるとおり告示615号の文言も変えています。
告示52号の地図:1〜6の項と、それぞれの性質
告示の全体を1つの表にまとめると次のとおりです。「性質」は、告示がその項で使っている文言から分けています。
| 項(頁) |
定めていること |
性質(文言) |
| 1 はじめに(p.1〜2) |
法第13条第1項・第2項の措置等について、同条第3項に基づき定めた指針であること |
説明 |
| 2 求職活動等におけるセクハラの内容(p.2〜6) |
定義、「求職活動等」「労働者」「性的な言動」の意味、典型例イ〜ヘ |
説明(定義)。2(4)の役員等の言動への対応は望ましい |
| 3 事業主等の責務(p.6〜7) |
事業主・役員・労働者の責務(法第14条第2〜4項) |
努力義務(「努めなければならない」) |
| 4 柱書(p.7) |
雇用管理上の措置を講じる義務 |
義務(「講じなければならない」) |
| 4(1)〜(4)(p.8〜18) |
方針の明確化と周知・啓発、相談体制、事後の対応、プライバシー保護と不利益取扱い |
義務。「認められる例」などは例示 |
| 5 望ましい取組(p.18〜19) |
教育機関の窓口等との連携、顧客・取引先等の言動への対応 |
望ましい取組 |
| 6 パワハラに類する行為等(p.19〜20) |
パワハラ・妊娠出産等・育児休業等のハラスメントに類する行為、カスハラに類する言動への対応 |
望ましい取組 |
措置の一覧と採用担当者の行動に置き換えた順番は就活セクハラの記事の表にあるため、この記事では繰り返さず、項ごとの「読みどころ」に絞ります。
告示51号(カスハラ)や615号(職場のセクハラ)が持つ「他の事業主からの協力の求め」の項は、告示52号にありません。根拠の均等法第13条にも、第11条第3項(職場のセクハラで他の事業主から協力を求められたときの努力義務)に当たる規定は置かれていません。
文言で性質を読み分ける
告示は、同じ項の中でも文言で強さを変えています。顧問先への説明や規程の見直しで取り違えやすいのは次の6つです。
- 「講じなければならない」:義務。4の柱書と4(1)〜(4)の各柱書がこれに当たります。2(3)の派遣先についての「不利益な取扱いを行ってはならない」は、法第13条第2項などの禁止を確認したものです
- 「努めなければならない」:努力義務。3(法第14条)
- 「望ましい」:望ましい取組。5と6のほか、2(4)の後段(役員等の言動)にも出てきます
- 「〜と認められる例」:措置を講じていると認められる方法の例です。告示は、この方法に限るとは書いていません
- 「〜している例」:4(1)ハ(求職活動等に関するルール)の例だけは、見出しが「周知・啓発している例」で「認められる」の語がありません。ただし解釈資料は、ルールについて労働者への研修・講習と、求職者等への留意事項の周知を「必要である」としています(解釈事項 問33、p.41)
- 「〜も考えられる」:取りうる選択肢の提示です。4(2)イの「人事担当者以外の者を指定することも考えられる」と、4(1)ハの、求職活動等以外の場面でも求職者等への言動に注意を払うよう併せて周知することがこれに当たります
もう1つ読むべきなのは周知先です。4(1)の柱書は「労働者及び求職者等に対するその方針の周知・啓発」と掲げていますが、イとロの本文では、周知先は管理監督者を含む労働者になっています。求職者等を周知先に含めて書いているのは、4(1)ハ(労働者及び求職者等)、4(2)イ(求職者等)、4(4)イ(労働者及び求職者等)の3か所です。
2 求職活動等におけるセクハラの内容:実務で引く箇所
2は定義の項です。告示を引くときに押さえる箇所を次に挙げます。
- 2(1) 定義(p.2):自社の労働者による性的な言動により、求職者等の求職活動等が阻害されるもの。同性に対するものも含み、被害を受けた人の性的指向やジェンダーアイデンティティにかかわらず対象です(解釈事項 問41、p.50 も同旨)
- 2(2) 求職活動等(p.2〜3):採用面接、就職説明会、労働者への訪問、インターンシップ、教育実習・看護実習等の実習が例です。SNS等のオンラインのものも含み、労働者が通常就業している場所に限りません。「求職者等」に当たらない例(授業の一環の社会科見学など)は問29(p.35)、飲食店や懇親の場の扱いと判断の考慮要素は問30と更問(p.36〜37)が扱っています
- 2(3) 労働者(p.3〜4):パートタイム労働者・契約社員等を含む雇用する労働者の全て。派遣先も、労働者派遣法第47条の2により、派遣労働者について3(1)の配慮と4の措置を講じる必要があります
- 2(4) 性的な言動(p.4〜5):性的な内容の発言と性的な行動の例を挙げたうえで、事業主(法人の場合は役員)も言動を行う者として想定されるため、その言動にも必要に応じて適切な対応に努めることが望ましいとしています(問31、p.38)
- 2(5) 典型例(p.5〜6):意に反する性的な言動により求職活動等が阻害され、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等、看過できない程度の支障が生じること。典型例として、少人数の説明会で身体に触る、インターンシップでの性的な冗談やからかい、性的な内容を含むポスターの掲示や画面の表示、面接での性的な事実に関する質問、訪問の際に性的な関係を求める、インターンシップ中に執拗に私的な食事に誘う、の6つ(イ〜ヘ)が挙がります
2(5)ハのポスター等について、解釈資料は、自社の製品に性的な内容を含むものがあってもそれを配布することのみでただちに該当するものではなく、業務上必要な範囲かどうか等も踏まえ、求職活動等が阻害されるかを考慮する必要があるとしています(問32、p.40)。
3 事業主等の責務:法第14条の努力義務
3は、法第14条の責務を告示の中で確認する項です(p.6〜7)。
- 3(1) 事業主:求職活動等におけるセクハラ問題について、雇用する労働者の関心と理解を深め、労働者が求職者等に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をし、国の広報・啓発に協力するよう努める(法第14条第2項)。事業主(法人の場合はその役員)自身も、関心と理解を深め、求職者等に対する言動に注意を払うよう努めます(同条第3項)
- 3(2) 労働者:関心と理解を深め、求職者等に対する言動に注意を払い、4の措置に協力するよう努める(同条第4項)
研修が出てくる場所は2つあります。3の努力義務の「研修の実施その他の必要な配慮」と、4の措置に添えられた例(「認められる例」と4(1)ハの例)の中の研修です。整理の仕方は就活セクハラの記事の「研修はどこまで義務か」にあります。
4 講ずべき措置:(1)〜(4)の読みどころ
4(1) 方針等の明確化と周知・啓発(p.8〜11)
- イとロは615号と同じ骨組みです。イは行ってはならない旨の方針を明確化して管理監督者を含む労働者に周知・啓発すること、ロは行った者に厳正に対処する旨の方針と対処の内容を就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書に規定して周知・啓発することです。ロの認められる例には、現行の懲戒規定の適用対象になる旨を明確化する方法も挙がっています(p.10)
- 柱書は、周知・啓発に当たって、発生の原因や背景に性別役割分担意識に基づく言動もあると考えられることに留意するよう求めています。イの認められる例も、方針と併せてこの点を周知・啓発する形で書かれています
- ハは告示52号にだけある措置です。求職活動等に関するルールをあらかじめ明確化し、労働者と求職者等に周知・啓発します。例は、面談時間・場所の指定、実施体制、やり取りに用いるSNSの種類の指定などの規則を定めて研修等を行うことと、求職者等にはホームページやパンフレット等で面談等の留意事項を周知することです(p.10〜11、問33、p.41)
4(2) 相談体制の整備(p.11〜13)
- 柱書は「求職者等からの相談」に対応する体制として書かれ、イの窓口は求職者等に周知します。周知していると認められる例は、パンフレット、ホームページ等による周知です(p.12)。解釈資料は、窓口の部署または担当者等の連絡先を示すことなどが必要としています(問34、p.42)
- イの「なお」書きは、求職者等が人事担当者への相談をためらうことも想定されることから、人事担当者以外の者を担当者に指定することも考えられるとしています。例外なく人事以外である必要はなく、企業で適切に判断するよう解釈資料は求めています(問34の更問、p.43)
- 窓口を定めていると認められる例は、担当者を定める・制度を設ける・外部の機関に委託するの3つです。担当者と窓口の関係は問42(p.51)が説明しています
- ロは、セクハラが現実に生じている場合だけでなく、発生のおそれがある場合や該当するか微妙な場合も広く相談に対応するよう求めています。例として、放置すれば求職活動等を阻害するおそれがある場合が挙がっています
窓口の置き方を類型横断で整理したものは相談窓口の設置義務にあります。
4(3) 事後の迅速かつ適切な対応(p.13〜16)
- イ 事実関係の確認:認められる例は、相談者と行為者とされる者の双方から確認し、主張が一致せず確認が十分にできないときは第三者からも聴取すること、確認が困難な場合に法第24条の調停の申請など中立な第三者機関に紛争処理を委ねることです
- 調停の例の読み方:法第24条第1項は、調停の対象から労働者の募集及び採用についての紛争を除いています。例に挙がる調停を個別の事案で使えるかは、都道府県労働局に確かめてください
- ロ 被害者への配慮:事実が確認できた場合に速やかに行います。認められる例は、引き離すための対応、行為者の謝罪、人事担当者による被害者への相談対応などです
- ハ 行為者への措置:就業規則等の規定に基づく懲戒その他の措置が、認められる例です
- ニ 再発防止:方針の再周知や研修の再実施など。事実が確認できなかった場合にも同様の措置を講じると明記されています(p.15)
4(4) 併せて講ずべき措置(p.16〜18)
- イ プライバシーの保護:相談者・行為者等のプライバシーを保護する措置を講じ、その旨を労働者及び求職者等に周知します。認められる例の③は、講じていることを社内報やホームページ等に掲載し「社内に配布及び社外に発信等すること」です(p.17)
- ロ 不利益取扱いをされない旨の周知:法第13条第2項・第23条第2項・第24条第2項を踏まえ、労働者が事実関係の確認等に協力したこと、都道府県労働局への相談・援助の求め・調停の申請、調停への出頭を理由に不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発します。相談をするのは求職者等なので、615号にある「相談をしたこと」は理由に挙がっていません
5・6 望ましい取組
5(p.18〜19)は、4の措置に加えて行うことが望ましい取組です。
- 5(1):大学生や専門学校生が所属する教育機関の相談窓口の担当者等から相談に関する情報提供があった場合に、連携して適切に対応すること。求職者等はどちらの窓口にも相談でき、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)への相談も可能とされています(問35、p.44)
- 5(2):顧客、取引の相手方、施設の利用者など、事業に関係を有する者によるセクハラに類すると考えられる相談があった場合に、4の措置も参考に対応するよう努めること(問31の更問、p.39)
6(p.19〜20)は、セクハラ以外の言動を扱う望ましい取組です。
- 6(1):パワハラ・妊娠出産等に関するハラスメント・育児休業等に関するハラスメントに類する行為について、4(1)イの方針を示す際に同様の方針を併せて示し、相談があれば4の措置も参考に対応するよう努めること(問36、p.45)。パワハラ指針2(7)の例を踏まえ、求職者等の性的指向・ジェンダーアイデンティティに関する侮辱的な言動や、了解を得ない暴露などにも対応に努めることが挙がっています
- 6(2):顧客や取引の相手方などによる、求職活動等におけるカスハラに類すると考えられる相談があった場合に、4の措置も参考に対応するよう努めること
セクハラ指針(告示615号)との違い
告示52号は、職場のセクハラ指針(平成18年厚生労働省告示第615号)と同じ骨組み(定義・責務・措置・望ましい取組)を持ち、4(1)イ・ロや4(2)ロの認められる例はほぼ同じ文言です。615号に対応した規程や窓口を流用して求職者等に広げる場合は、次の違いを確かめてください。615号は2026年10月1日適用版(厚生労働省PDF)と比べています。
| 論点 |
告示615号(職場のセクハラ) |
告示52号(求職者等) |
| 根拠と守る相手 |
均等法第11条。雇用する労働者 |
均等法第13条。求職者等 |
| 定義の型 |
対価型と環境型の2類型(2(1)(5)(6)) |
求職活動等が阻害されるもの。類型は分けていない(2(1)(5)) |
| 言動を行う者 |
事業主・上司・同僚のほか、取引先・顧客・患者・生徒等もなり得る(2(4)) |
措置の対象は自社の労働者。役員等は2(4)で、顧客・取引先等は5(2)で望ましい取組 |
| 周知先 |
方針・窓口・プライバシー保護とも労働者 |
方針(4(1)イ・ロ)は労働者、窓口は求職者等、ルールとプライバシー保護は労働者及び求職者等 |
| ルールの明確化 |
対応する措置はない |
4(1)ハで求職活動等に関するルールを定めて周知 |
| 被害者への配慮の例 |
関係改善の援助、配置転換、労働条件上の不利益の回復、メンタルヘルス不調への相談対応、調停案に従った措置(4(3)ロ) |
引き離し、謝罪、人事担当者による相談対応(4(3)ロ) |
| 他の事業主との関係 |
行為者が他社の労働者等なら事実確認・再発防止への協力依頼を含む(4(3)イ・ニ)。協力を求められたら応じる努力義務(5) |
対応する記載はない |
| 不利益取扱いの理由 |
相談をしたこと、事実確認への協力、労働局への相談等(4(4)ロ) |
事実確認への協力、労働局への相談等。「相談をしたこと」はない(4(4)ロ) |
| 望ましい取組 |
一元的な相談体制、運用状況の把握と見直し(6)、労働者以外の者への言動(7) |
教育機関との連携、顧客等の言動(5)、パワハラ・カスハラに類する言動(6) |
表の「対応する記載はない」は、告示52号の本文にその記載がないという意味です。内定者はどちらで扱うかについて、解釈資料は、採用内定で労働契約が成立したと認められる場合は615号に則った対応を、成立していなければ求職者等として告示52号に基づく措置を求めています(問27、p.33)。
10月1日に615号の側で変わった箇所
告示53号の第1条により、615号は10月1日から改正されました(告示53号PDF p.2〜7)。求職者等に関係するのは7(労働者以外の者に対する言動に関する望ましい取組)と3(1)です。7からは、改正前にあった次の文言が外れました。
- 注意を払う相手の「他の労働者(他の事業主が雇用する労働者及び求職者を含む。)」→「他の労働者」
- 労働者以外の者の例の「個人事業主、インターンシップを行っている者等」→「個人事業主等」
- 方針を併せて示す相手の「他の事業主が雇用する労働者、就職活動中の学生等の求職者及び労働者以外の者」→「他の事業主が雇用する労働者及び労働者以外の者」
一方、615号の3(1)(事業主の責務)の「他の労働者(他の事業主が雇用する労働者及び求職者を含む。)」という文言は改正後も残り、この括弧書きがかかる範囲は「⑵において同じ」から「以下同じ」に改められています(告示53号 p.3、615号 p.2)。告示53号は改正の理由を書いていません。両告示の文言を見比べた当社の読みでは、自社の労働者による求職者等への性的な言動は、10月1日からは告示52号が措置義務の指針として正面から扱い、7の文言の整理はそれに合わせたものとみられます。ただし、7の「他の労働者」にも3(1)の括弧書きがかかると読めるため、7の文言が変わったことだけで、615号から求職者への言及がなくなったとはいえません。同じ第1条は、2(1)の「性自認」を「ジェンダーアイデンティティ」に改め、4(4)ロで引く条番号を施行後のもの(第23条第2項・第24条第2項)に改めています。
よくある質問
告示52号に違反すると罰則はありますか
告示そのものに罰則の定めはありません。法律の側では、厚生労働大臣が事業主に報告を求め、助言・指導・勧告をでき(均等法第35条)、第13条第1項・第2項に違反して勧告に従わないときは公表されることがあります(第36条)。20万円以下の過料は、第35条第1項の報告をしない、または虚偽の報告をした場合の定めです(第39条)。
採用活動をしていない時期も、4の措置がすべて必要ですか
解釈資料は、定期的な採用活動を行っておらず求職者等と労働者が接する機会がない場合は、4の措置を全て講じていなくとも差し支えないとしています。採用活動を始めて説明会や面接を実施することになれば、その時点で全ての措置を履行する必要があります(問37、p.46)。
告示51号とは何が違いますか
告示51号はカスハラ防止指針で、根拠は労働施策総合推進法第33条第4項です。告示52号とは根拠の法律も守る相手も違い、適用日はどちらも2026年10月1日です。51号には抑止のための措置(4(4))や他の事業主への協力の項(5)があり、52号には求職活動等に関するルール(4(1)ハ)があります。項ごとの読み方は告示51号を項ごとに読むにまとめています。
次の一手
告示を項ごとに読んだら、自社(顧問先)の現状を4の措置に当てはめてみてください。615号に対応した既存の規程があれば、上の対照表の「周知先」「ルールの明確化」の行から見直すと、手を入れる箇所を絞れます(当社の運用提案)。無料の対応状況チェックは登録不要で、約2分で回答でき、回答は送信されません。求職者等の領域では、方針を定めているか、それを求職者等が見られる形で公開しているかを確認します。
顧問先でハラスメント対策室を使うときの形 (社外の相談先としての登録、相談担当者としての参加) は「社会保険労務士の方へ」にまとめています。